看護技術学分野

看護技術学分野

看護技術学分野では、看護問題の解決に用いられる看護技術の科学的根拠やそれに関連する理論について探求し、看護実践の場において提供される看護技術の実証的、開発的な研究を行っています。
これまでに産学官研究連携推進センターを介して企業との共同研究、受託研究なども実施し、開発されたケア物品の評価などにも取り組んでいます。

教員紹介

杉本 吉恵 教授

主な研究テーマ

  • 保健医療従事者の腰痛予防に関する研究
  • 体位変換・移乗介助における腰部負担に関するに関する研究
  • 看護技術の評価に関する研究

主な研究業績

  • スライディングシート使用の有無によるベッド上での上方移動における介助者の腰部・頸肩腕部負担の検討:入江星香、福田光、福田礼、生田歩由香、杉本吉恵ら(2016),日本看護技術学会学術集会講演抄録集 15回,121.
  • 洗髪におけるナノミストシャワーの有用性 洗髪車と比較して:横山友子、杉本吉恵、中岡亜希子ら(2014),日本看護技術学会誌,12(3),24-33.
  • 湯たんぽによる寝床内温度の経時的変化と保温範囲:大西由紀、杉本吉恵、網島ひづるら(2010),日本看護技術学会誌,9(2),14-20.

相原 ひろみ 准教授

主な研究テーマ

  • 看護学生の倫理的行動とその関連要因に関する研究
  • 看護学生への看護技術教育方法に関する研究

主な研究業績

  • 看護大学生の看護実践における倫理的行動評価尺度の内容妥当性の検討:相原ひろみ,細田泰子(2018),日本看護学教育学学会第28回学術集会,135.
  • ボディメカニクスと補助具の活用による床上移動援助動作時の積分筋電図の変化:青木光子,宮腰由紀子,野島一雄,相原ひろみ,野本百合子(2015),日本看護技術学会誌14(3),pp.266-273.
  • 移動援助技術の困難度と臨地実習での実施頻度から-1年生と4年生が感じる困難度と臨地実習での実施頻度から-:相原ひろみ, 青木 光子, 野島一雄, 野本百合子(2013),愛媛県立医療技術大学紀要,10(1) ,pp.11-16.

伊藤 良子 講師

主な研究テーマ

  • 性暴力被害にあうことをめぐる語りと言説に関する研究
  • 医療施設における暴力(ハラスメント)に関する研究

主な研究業績

  • <性暴力被害にあうこと>をめぐるパフォーマティヴな語りの可能性:伊藤良子(2015),女性学研究(22)56-73.
  • ミニコミにみる性暴力の社会問題化:伊藤良子(2013),女性学年報(34)67-97.

山口 舞子 講師

主な研究テーマ

  • 運動器看護に関する研究
  • 生理学的指標を用いた看護ケア評価に関する研究
  • 腰痛予防に関する研究

主な研究業績

  • 回復期にある人工膝関節全置換術術後患者の疼痛の実態:山口舞子、杉本吉恵、中岡亜希子(2018),大阪府立大学看護学雑誌,24(1),119-126.
  • ナノミストを用いた足浴が気分と唾液アミラーゼ活性へ与える影響:温湯を用いた足浴との比較:山口舞子、杉本吉恵、中岡亜希子、金田典子、林愛実、増山栄利ら(2015),大阪府立大学看護学部紀要,21(1),31-39.
  • 健康人に対する両膝関節部温罨法と音楽聴取がもたらす生理的・心理的変化:山口舞子、杉本吉恵、田中結華、高辻功一(2013),日本看護技術学会誌,12(1),74-84.

大学院生への教育

大学院生

博士前期課程では、日常生活援助技術や診療に伴う看護技術の目的、方法、評価に関してエビデンスならびに関連する理論について、文献のクリティーク、プレゼンテーション、ディスカッションなどを通して探求します。時には、実習室や実験室で看護技術を実施し、学内にある様々な生体機能測定機器を用いて評価することもあります。
また、ティーチングアシスタントの体験を通して看護学教育について考える機会も作るようにしています。
修士論文では、臨床疑問から研究課題を見つけ研究計画書を立案すること、データ収集ならびにその分析、論文執筆の過程の支援を行い、看護研究能力の育成に努めています。
博士後期課程では、修士論文の研究テーマを発展させ、文献検討から研究計画立案、実施、結果、考察までディスカッションを通して博士論文にふさわしいエビデンスレベルの論文を作成できるよう支援をしています。

授業科目

博士前期課程

修士論文コース

看護技術学特論Ⅰ、看護技術学特論Ⅱ、看護技術学演習Ⅰ、看護技術学演習Ⅱ、看護技術学特別研究

博士後期課程

看護技術・情報学特論、看護技術・情報学演習、生活支援看護学特別研究

※授業科目の詳細は、大阪府立大学のシラバスをご覧下さい

院生の声

博士前期課程 修士論文コース1年

私の大学院への入学動機は、現場で実際に行われている移乗介助方法に疑問を持ったことです。先生方の指導を受ける中で、看護技術を実践するにはその根拠を明らかにすることが重要であることを学び、より具体的に研究目的や方法について決定していきました。また大学院では他領域の異なる経験を持つ人とともに学ぶことで、知識だけでなく見聞を広げることもでき、今後の自分の看護を行う上でもよい学びの場となっています。

博士前期課程 修士論文コース1年

私の進学理由は、臨床で働く中で病棟や人によって行う看護技術が異なっていることに疑問を感じ、エビデンスのある看護技術の開発が必要だと考えたからでした。入学してからは看護をより良くしたいという、同じ思いを持った他の学生と色々なディスカッションなどが出来、良い刺激をもらっています。同時に、興味のある論文を読み進めながら研究テーマを絞っていくという作業をしています。日々新しい刺激があり、充実した毎日です。

活動紹介

保健医療従事者の腰痛予防のために研修会を実施