看護教育学分野

看護教育学分野

看護教育学分野では、看護基礎教育、継続教育という側面から看護専門職者の発達や育成に関わる要素を探求するとともに、看護教育に関する諸理論および関連学問分野の知見を活用して、看護のケアの質を高めるための教育的役割と機能、教育方法、教育評価等について探究します。また、学生の経験や関心をもとに、実践・理論・研究・教育をつなげて考えることを重視し、国内外の広範な文献検討をふまえ、それぞれの課題に取り組みます。

教員紹介

細田 泰子 教授

主な研究テーマ

  • 臨床判断と学習環境デザインに関する研究
  • 看護師のコンピテンシーに関する研究
  • メタ認知とインストラクショナルデザインに関する研究

主な研究業績

  • 細田泰子 (2017). 臨地実習のすすめ方(実習の評価), 専門分野Ⅰ 基礎看護学. 松木光子(監), 宮地緑(編) 看護学臨地実習ハンドブック 第5版(38-69), 金芳堂.
  • Hosoda, Y. (2018). In search of the ideal clinical learning environment. Reflections on Nursing Leadership.
  • 細田泰子 (2020). 臨床判断能力を培う、コンセプトを基盤にした学習活動. 看護展望, 45(4), 29-33.

※詳細は大阪府立大学教員活動情報をご覧下さい。

紙野 雪香 准教授

主な研究テーマ

  • 看護におけるナラティヴアプローチの実践
  • 看護実践の意味とナラティヴ
  • 臨床看護における対話と時間

主な研究業績

  • 紙野雪香 (2015). 現任看護教育におけるナラティヴアプローチの実践. 森岡正芳(編), 臨床ナラティヴアプローチ(129-145). ミネルヴァ書房.
  • 紙野雪香, 野村直樹(編) (2016). N:ナラティヴとケア 看護実践におけるナラティヴ. 第7号, 遠見書房.
  • 紙野雪香,福田敦子,高橋清子,森岡正芳 (2019).個人の進化と組織の活性化をもたらすナラティヴプラクティス 第1回~第6回連載,看護管理,29(5)~29(10).

※詳細は大阪府立大学教員活動情報をご覧下さい。

勝山 愛 講師

主な研究テーマ

  • 新人期看護師の主体性に影響を与えた職場における経験
  • 新人看護師の学習活動におけるエンゲージメント測定尺度の開発
  • 新人看護師の学習活動におけるエンゲージメントの関連要因の検討

主な研究業績

  • 勝山愛,細田泰子,紙野雪香(2019). 新人期看護師の主体性にかかわる職場における経験. 日本看護研究学会雑誌, 42(2), pp.175-183.
  • 勝山愛,細田泰子(2021). 新人看護師の学習活動におけるエンゲージメント.日本看護学教育学会誌,31(1).
  • Katsuyama,A.&Hosoda,Y.(2020). Evaluating the Content Validity of the Scale of Engagement in Learning Activities of Newly Graduated Nurses. Japanese Journal of International Nursing Care Research, 19(2), pp.19-26.

 

大学院生への教育

大学院生

博士前期課程では、看護教育学に関する概念・理論・方法について、文献クリティーク、プレゼンテーション、ディスカッションを通して探究します。また、近年の学習理論をふまえ、看護ケアの質を高めるための教育の役割・機能・評価について理解を深めます。実際にインストラクショナルデザインを作成し、ミニレクチャーを行います。修士論文は、学生の経験や関心をもとに研究の課題を検討し、科学的根拠をもった独創的な研究に取り組めるように支援します。
博士後期課程では、看護教育学に関する諸理論、知識の体系化と方法論について、国内外の学際的な文献クリティーク、プレゼンテーション、ディスカッションを通して探究します。博士論文は、質的・量的研究の方法について理解を深め、学生の研究課題を発展させ、学術的重要性と妥当性をもった独創性や新規性が認められる研究に取り組めるように支援します。

 

 

授業科目

博士前期課程

修士論文コース

看護教育学特論Ⅰ、看護教育学特論Ⅱ、看護教育学演習Ⅰ、看護教育学演習Ⅱ、看護教育学特別研究

博士後期課程

看護管理・教育学特論、看護管理・教育学演習、生活支援看護学特別研究

※授業科目の詳細は、大阪府立大学のシラバスをご覧下さい。

院生の声

本分野の博士前期課程は修了者10名、博士後期課程は在籍者6名、修了者11名になります。

博士前期課程

私は新人看護師の成長を支援することに難しさを感じ、進学を決めました。講義では、学生が主体となってプレゼンテーションを行い、同級生とのディスカッションを通して学びを深めています。また、ティーチングアシスタントとして学類生の授業に参加する機会があり、学類生の学習を支援することで、講義とは違った学びを得ることができます。修士論文の執筆では、指導教員はもちろん、先輩にも支援していただき、安心した環境で研究に取り組めます。

博士後期課程

私は、博士前期課程から継続して博士後期課程に進学しました。博士前期課程で取り組んだ研究をより専門的に深める過程は難しく感じることも多かったですが、文献検討から研究方法、論文投稿まで指導教員から丁寧にご指導をいただき、研究を進めることができました。また、看護教育学分野は在学生がおり、気軽に相談できる環境が整っています。定期的に開かれるNursing Education研究会には修了した先輩方も在籍しており、看護教育学の専門家から有益な意見をもらうことができます。看護教育学の対象は幅広いですが、多くの研究者と交流することで、広い視野で自分の研究を振り返ることができるのが看護教育学分野の魅力と感じています。

活動紹介

インストラクショナルデザイン検討会

博士前期課程ではインストラクショナルデザインを学び、教員や先輩を学生に見立ててミニレクチャーを行っています。対象者の設定や授業内容の選定を行い、授業案を自ら考え、模擬授業を行います。実際にやってみてはじめて気づくことや学べることも多く、教員や先輩からのフィードバックを受けリフレクションし、今後の看護教育に活かしていきます。

Nursing Education研究会

年に数回、博士後期課程のメンバーを中心に集まり、研究の進捗状況の報告や発表会などの予演会を兼ねて意見交換などを行っています。院生同士に縦のつながりが生まれ、教員や先輩・後輩の院生や修了生から研究のアドバイスをいただき研究の進め方を学ぶ貴重な機会となっています。

外国人教員とのミーティング

国際交流国際交流

米国Boston College看護学部の准学部長Dr. Christopher S. Leeを招へいし、Lee先生を
囲んで在学生と修了者と一緒に研究に関するミーティングを行いました。