地域看護学分野

近年の社会情勢の変化、特に人々の生活の多様化や健康危機管理事象の増加、健康格差の拡大などから、地域で働く看護職の役割はますます高まってきているといえます。地域看護学分野では、地域で生活する人々のあらゆる健康レベル、発達段階の人々を対象に、健康の維持増進とQOLの向上を目指し、アセスメントの視点、支援方法、評価そして技術の開発などを探究し、現場の看護実践に寄与していきたいと思っております。大学院では、地域看護に関連した諸理論や方法論、また地域特性や集団特性を把握する方法としての地域診断についての理解を深め、エビデンスに基づいた地域看護実践に貢献できる人材を育成します。

教員紹介

都筑 千景 教授

主な研究テーマ

  • 公衆衛生看護分野で働く保健師実践活動の明確化と、活動方法論や評価方法の開発
  • 地域母子保健活動における支援に関する研究

主な研究業績

  • 市町村合併が保健(師)活動に及ぼした影響-人口規模別の比較検討-  厚生の指標(2010)
  • 地域看護診断 第2版 東京大学出版会(2011)
  • 援助の必要性を見極める-乳幼児健診で熟練保健師が用いた看護技術- 日本看護科学学会誌(2004)

※詳細は大阪公立大学研究者詳細をご覧下さい

田中 健太郎 准教授

主な研究テーマ

  • 地域看護学、公衆衛生看護、社会環境要因、健康増進、多職種連携

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大野 志保 講師

主な研究テーマ

  • 学校での児童生徒の死亡事故を経験した養護教諭のメンタルヘルスに関する研究
  • 高校生のメンタルヘルスに関する研究

主な研究業績

  • 優秀ポスター発表賞:日本学校心理学会(2014.09)
  • 養護教諭の職務と役割の変遷-災害・学校事故発生時における養護教諭の役割の観点から:名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要(心理発達科学)(2017.12)
  • 高校生のメンタルヘルスと欠席・遅刻・早退及び保健室利用状況との関連:愛知教育大学保健環境センター紀要(2016.12)

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根来 佐由美 講師

主な研究テーマ

  • 地域高齢者の転倒予防に関する研究
  • 高齢者の社会関係に関する研究

主な研究業績

  • 優秀演題:第68回日本公衆衛生学会(2009.10)
  • 公衆衛生看護学第2版:中央法規出版(2016.12)
  • 大学と地域による協働活動-大学と小学校によるコラボレーション事業の評価-:大阪府立大学看護学部紀要(2015.3)

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安本 理抄 講師

主な研究テーマ

  • 結核患者支援に関する研究
  • 食事内容と健康への意識に関する研究

主な研究業績

  • 公衆衛生看護学第2版:中央法規出版(2016.12)
  • 対応困難な結核患者へ保健師が行った支援の内容と特徴:別冊BIO Clinica(2017.4)

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大学院生への教育

博士 前期課程では、修論コース、長期履修コースなど多様なコースを設け、現場の保健師、看護師、助産師が地域看護学や保健師について学び、研究方法論を身につけることで、地域の課題解決に向け、専門職として力量アップを目指した指導をしています。
授業では、文献クリティークや職場のコミュニティアセスメントや実践事例についてディスカッションを行い、実践と理論を結び付けた探求能力を養える指導をしています。

博士後期課程では、修士論文の研究テーマを発展させ、博士論文にふさわしいエビデンスレベルの論文を作成する指導をしています。さらに、月に1回、博士前期課程、博士後期課程の学生と修了生、教員が集まり、英文献の抄読会や研究進捗状況の報告や学会発表に向けての予演会、外部講師による特別講義などを行うことで、お互いが切磋琢磨しながら研究能力の向上が目指せるような機会を設けています。

授業科目

博士前期課程

修士論文コース

地域看護学特論,地域看護学援助特論,地域看護学演習ⅠA/ⅡA,地域看護学特別研究

博士後期課程

看護学研究方法論、地域・精神看護学特論、地域・精神看護学演習、生活支援看護学特別研究

※授業科目の詳細は、大阪府立大学のシラバスをご覧下さい

院生の声

博士前期課程4名、博士後期課程3名が在籍しています。

博士前期課程 修士論文コース2年

私は将来大学で教員になりたいと思い、大学院に進学しました。

授業ではすばらしい先生方のご指導や様々なキャリアや分野の方とのでディスカッションを通して刺激を受けています。大学院では自身の興味関心やこれまでの学びを振り返ることができる貴重な機会を得ることができると思います。

特に地域分野はとても温かい先生方、OBOGを含めた繋がりがあり、学びが深まるよい環境です。ぜひ、大学院・地域分野へお越しください。

博士後期課程

地域看護学における健康教育や保健指導の効果に興味があり、博士前期課程に引き続き後期課程に進学しました。

地域看護学分野は、博士前期課程・後期課程ともにたくさん在籍しており、毎月の抄読会での意見交換・情報交換を通し、先輩・後輩と学び合うことも多く、励みになっています。

活動紹介

地域での測定会

地域の集会所や健康イベント会場に出向き、血圧、体脂肪、骨密度等の測定会を実施しています。

NPO法人羽曳が丘E&Lが主催する交流サロン(羽曳が丘第2集会所)では、年2回(6月と11月)行い、また、大学院生が健康相談や健康に関することをテーマに健康教育の企画・運営を行っています。

若者の献血行動を促進~献血ボランティア講座の開催~

『献血についてもっと知ろう』をテーマに、大阪南赤十字血液センター、藤井寺保健所と共催で我が国の献血の現状と保健所の役割についてボランティア講座を行っています。