精神看護学分野

精神看護学分野

精神看護学分野は、精神疾患を持つ人をはじめ、現代社会の多様なストレスで生きづらさを抱える人々の心の健康を保持・増進させるための支援を探究しています。

心の健康は人と人のつながりの問題でもあるため、私たち自身の身近なテーマでもあり、支援を考えることは自分自身の生きやすさにもつながるものだと思います。

当分野では、対象者への支援に必要な知識や技術を学び、広く心の健康へのアプローチ方法を模索していきます。

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教員紹介

冨川 順子 教授

主な研究テーマ

  • 精神疾患を持つ人のリカバリーとレジリエンス
  • 精神疾患を持つ人への看護過程と看護ケア
  • 精神疾患を持ちながら訪問看護を利用する人の生き方と看護ケア

主な研究業績

  • 統合失調症を持つ人のresilience
    • 日本保健医療行動科学会誌,30(2),245-52
      冨川順子・野嶋佐由美(2016)
  • 統合失調症と診断された子どもを支える父親の体験―発症、精神科救急病棟入院から退院までの5年間
    • 精神看護,16(1),74-80.
      冨川順子・森口勇子(2013)
  • 精神科救急入院料病棟において看護師が行う退院調整についての文献検討

奥野 裕子 准教授

主な研究テーマ

  • 発達障害とその家族へのケア
  • ペアレントトレーニング
  • 行動療法

主な研究業績

  • 精神科訪問看護指導におけるペアレントトレーニングの影響に関する事例検討―注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の子どもをもつ母親への支援 発達障害研究, 34(2),pp.179-194 2012年5月 奥野裕子,荒木田美香子,永井利三郎,奥野正景
  • Effectiveness of modified parent training for mothers of children with pervasive developmental disorder on parental confidence and children’s behavior Brain & Development,33,pp.152-160 Feb,2011
    Hiroko Okuno, ToshisaburoNagai Saeko Sakai, Ikuko Mohri, TomokaYamamoto, Arika Yoshizaki,Kumi Kato, MasayaTachibana,Hidemi Iwasaka, Masako Taniike.
  • Simultaneous Training for Children with Autism Spectrum Disorder and Their Parents with a Focus on Social Skills Enhancement
    Int J Environ Res Public Health,14;13(6). pii: E590. doi:10.3390/ijerph13060590. Jun,2016 Hiroko Okuno, Tomoka Yamamoto, Aika Tatsumi, Ikuko Mohri, Masako Taniike
  • The Effects of Behavior Support Targeting Self-injurious Behavior through Promotion of Task Engagement on Problem Behavior in ASD Children.School Health, 12,pp.1-12 Aug,2016
    Koichi Tani, Saeko Sakai, Hiroko Okuno, Sachiko Takagi and Yoshihiro Fujiwara
  • Application of the Teaching-Family Model for Japanese Maltreated Children in a Residential Treatment Setting Korean J Child Stud,38(4),pp.3-17 Sep,2017
    Keisuke Masuda, Hiroko Okuno, Minako Wakasa, Saeko Sakai
  • Effectiveness of a Teacher Training Program for Students with Symptoms of Developmental Disorders: Data from a Correspondence High School in Japan.International Journal of Environmental Research and Public Health Volume 17, Issue 9, 3100 May,2020
    Atsuko Ishii, Hiroko Okuno, Takayoshi Nakaoka, Hidemi Iwasaka and Masako Taniike

柱谷 久美子 助教

主な研究テーマ

  • 救急医療機関での自殺未遂者への看護ケア

主な研究業績

  • 二次救急と三次救急医療機関における精神障害を有する自殺未遂患者に対する回復期の看護実践上の困難 (修士論文)
    柱谷久美子、田嶋長子(2018)
  • 植込み型除細動器(ICD)装着患者への指導の検討―意識消失発作の有無に関する理解内容の相違の調査を通して―(2005年度財団法人循環器病研究復興財団 研究助成)
    柱谷久美子、市田三和子(2005)

大学院生への教育

大学院生博士前期課程では、精神疾患をもつ人とその家族に対する看護ケアについて、文献のクリティーク、プレゼンテーション、ディスカッションなどを通じて探究します。

適宜、研究テーマに沿った場所でのフィールドワークを行います。加えてCNSコースでは、精神看護CNSのいる病院で、精神疾患をもつ患者を受け持ちながら、専門看護師とそのケアについて学びます。

希望に応じて精神科患者対象、リエゾン精神看護のどちらかの専門について深めます。

博士後期課程では、修士論文の研究テーマを発展させ、博士論文にふさわしいエビデンスレベルの論文を作成する指導をします。

授業科目

博士前期課程

修士論文コース

精神看護学特論Ⅰ・Ⅱ、精神看護学援助特論Ⅰ・Ⅱ、精神看護学演習ⅠA・ⅡA、精神看護学特別研究

CNSコース

精神看護学特論Ⅰ・Ⅱ、精神看護学援助特論Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ、精神看護学演習ⅠB・ⅡB、精神看護学実習Ⅰ・Ⅱ、精神看護学課題研究

博士後期課程

地域・精神看護学特論、地域・精神看護学演習、生活支援看護学特別研究

※授業科目の詳細は、大阪府立大学地域保健学域看護学類のシラバスをご覧下さい

院生の声

博士前期課程4名(修士論文コース1名、CNSコース3名)博士後期課程1名が在籍しています。

博士前期課程 修論コース 在学生

精神科看護ってどんなことするの?と聞かれるたびに、多くの実践が行われているにも関わらず、上手く言葉で伝えることができずにいました。

精神科看護を言葉で伝えたい、目に見える形で伝えたいと思い、大学院に進学しました。

日々の授業やプレゼンの準備など、とても大変ですが、先輩方と情報を交換したり、他分野の同級生と議論したりと、私にとってとても貴重な経験となっています。

博士前期課程 CNSコース 在学生

大学を卒業し、総合病院に勤めた後、精神看護をしたいと考え、精神科病院に再就職しました。

そこでは精神看護の楽しさや難しさを感じ、それぞれの方にあった看護ができるよう、アセスメント力を高めたいと考え、大学院に進学しました。

大学院では、授業のプレゼンテーションやグループでのディスカッション、実習で毎日が忙しく、投げ出したくなる時もありますが、学びが深まり、分からなかったことが分かる醍醐味があります。

博士後期課程 在学生

大阪府内の精神科病院で精神看護専門看護師として勤務しながら、精神科長期在院患者に対する看護師の退院支援についての研究に取り組んでいます。

本学の修士課程を修了した時は、まさか進学するとは思っていなかったのですが、臨床で様々な疑問に突き当たるたびに、桜並木の美しい本学への道が懐かしく、ついに舞い戻ってきてしまいました。

日々自分の勉強不足に悩むことばかりですが、やはり進学して本当によかったと思います。

活動紹介

2021オンライン公開講座のお知らせ

昨年度より開催し、ご好評をいただいてております精神看護オンライン研修会を、本年度は下記講座にて実施致します。
1つの研修につき20名様まで募集を予定しております。お申し込み方法やお問合せ先、詳細は、ご案内状をご覧下さい。

2021オンライン公開講座のご案内 (別ウインドウでご案内状が開きます)

研修日程 研修時間 テーマ 講師 申込期間
8月6日
(金)
14:00~16:00 家族療法の実際
ー発達障害児を持つ親へのペアレントトレニンぐを通して1ー
奥野 裕子 2021年8月1日まで
9月3日
(金)
14:00~16:00 家族療法の実際
ー発達障害児を持つ親へのペアレントトレーニングを通して2ー
奥野 裕子 2021年8月7日
~8月30日まで
10月15日
(金)
14:00~16:00 セルフケア理論を基にした
精神看護の看護過程
冨川 順子 2021年9月4日
~2021年10月11日まで
1月28日
(金)
14:00~16:00 事例研究をしよう 冨川 2021年12月1日
~2022年1月25日まで

 

PsyTalkの会

2か月に1回、年6回程度開催。精神看護学分野の教員、大学院在学生、修了生等で、専門看護師活動に関する事例検討会、あるいは研究についての意見交換など、精神看護学の勉強会を行っています。興味のある方ならどなたでも参加を募集しています。

精神科病院・訪問看護ステーションとの連携

精神病院における研究支援や精神科看護に関するご相談へのコンサルテーション支援をしております。