小児看護学分野
小児看護学分野では、子どもを取り巻く社会環境の変化、現代の家族関係の特徴を踏まえ、子どもとその家族に対する倫理観を基に、子どもの発達に関する諸理論、看護に必要な理論を学び、発達的視点から健やかなる子どもの育ち・健康生活のためのケア、親を中心とした家族への支援について追究していきます。さらに、子どもとその家族への実証的な研究を行い、彼ら一人一人が持てる力を発揮して輝ける小児看護を追究していきます。
教員紹介
仁尾 かおり 教授
主な研究テーマ
- 小児看護学
- 慢性疾患児・先天性心疾患児の看護
- 自立支援、移行期支援、就園支援、レジリエンス
主な研究業績
- 先天性心疾患をもつ子どもの親の認識の構造『子どもが病気を理解する』『子どもが前向きに考え行動する』ために親としてできることに焦点をあてて
仁尾 かおり,藤澤 盛樹,原口 昌宏 日本小児看護学会誌
29 34-41 2020年12月(ISSN:1344-9923) - 先天性心疾患患児の考える「子どもが前向きに考え行動するために親としてできること」
藤澤 盛樹,仁尾 かおり,原口 昌宏
小児保健研究 79(5) 494-501 2020年09月(ISSN:0037-4113) -
Reliability and validity of the Japanese version of the Paediatric Pain Profile for children with severe motor and intellectual disabilities.
Okita M, Nio K, Murabata M, Murata H, Iwamoto S
PloS one 15 ( 12 ) e0243566 2020年
※詳細は大阪公立大学研究者詳細をご覧下さい
長田 暁子 准教授
主な研究テーマ
- 慢性疾患や心身障がいをもつ子どもへの継続的な支援に関する研究
- 子どもを亡くす家族や家族を亡くす子どもへのケアに関する研究
- 専門看護師の活動、活用、キャリア開発に関する研究
主な研究業績
- NICUで在宅医療を必要とする子どもの退院調整を行う看護師の困難感に関するアクションリサーチ:日本小児看護学会誌
- 「気管切開を受けた子どもと家族の退院調整ケアマニュアル」を用いたケアの導入が臨床の場にもたらす影響:日本小児看護学会学術集会
- 周産期におけるグリーフケアに関わった医療者の経験と感情:日本新生児看護学会学術集会
中山 祐一 講師
主な研究テーマ
- 小児看護学
- 重症心身障害
- 成人期行期
主な研究業績
- 小学校高学年生の保護者における日本語版Satter eating competence Inventory-2.0の計量心理学的検証(Psychometric examination of the Japanese translation of the Satter eating competence Inventory-2.0 for parents of fifth and sixth grade students)
Yasuzato Maiko, Kikuchi Ryota, Kawahara Tae, Nakayama Yuichi, Yamazaki Akemi
Japan Journal of Nursing Science 18 ( 2 ) 1 of 13 – 13 of 13 2021年04月( ISSN:1742-7932 ) -
日本語版eating competence Satter inventory-2.0の開発及び信頼性と妥当性の検証
安里 舞子, 菊池 良太, 新家 一輝, 川原 妙, 中山 祐一, 山崎 あけみ
日本看護科学学会学術集会講演集 39回 [O46 – 02] 2019年11月
大学院生への教育
現代の少子高齢化、多様化する社会は、子どもにとって自己肯定感・有能感を育てにくい環境にあります。小児看護学では、大人とは違う子ども時代とはどんな時代であるか、その成長発達の理解を基盤に、子どもを取り巻く社会環境、家族関係等を踏まえ、子どもの看護について探究します。
博士前期課程では、特に修士論文コースにおいて、各大学院生の研究テーマの文献クリティーク、プレゼンテーション、ディスカッション等を通して研究課題を焦点化し修士論文を作成していきます。小児看護専門看護師コースでは、専門看護師として倫理観を持ち、子どもやその家族の看護実践に向けた包括的アセスメントをし、卓越した小児看護実践能力、連携調整、相談、教育、研究、倫理調整を行う能力を修得します。
博士後期課程では、修士論文・課題研究テーマを発展させ、博士論文にふさわしいエビデンスレベルの論文を作成する指導をします。
授業科目
博士前期課程
修士論文コース
小児看護学特論、小児看護学援助特論Ⅰ、小児看護学援助特論Ⅱ、小児看護学援助特論Ⅲ、
小児看護学演習ⅠA、小児看護学演習ⅡA、小児看護学特別研究
CNSコース
小児看護学特論、小児看護学援助特論Ⅰ、小児看護学援助特論Ⅱ、小児看護学援助特論Ⅲ、
小児看護学演習ⅠB、小児看護学演習ⅡB、小児看護学実習Ⅰ、小児看護学実習Ⅱ、
小児看護学課題研究
博士後期課程
母子健康看護学特論、母子健康看護学演習、生活支援看護学特別研究
※授業科目の詳細は、大阪府立大学のシラバスをご覧下さい
院生の声
博士前期課程 CNSコース1年
私は数年臨床の経験をして、小児看護専門看護師になることを目指し大学院に入学しました。
授業では苦手だと感じる分野もありましたが、今まで自身が臨床で実践してきたことの意味づけをしながら知識を獲得でき、専門分野の小児ではより深く「子ども」を学べていると思います。
大学院に進学し、多くの学びを得たことで、小児看護専門看護師になりたい気持ちが強くなってきていることを日々実感しています。
博士前期課程 CNSコース2年
大学卒業後、ストレートで大学院に進学しました。
学部実習の指導者と同じ年齢の方などと大学院で出会い意見交換ができ視野が広がりました。
研究では、どうすれば良いか分らないことばかりでしたが、先生からのご指導や同期との励まし合いにより進めていくことができました。一般的な進路ではないかもしれませんが、学部生が進路を考える際の一つの選択肢になればいいと思います(修士論文コース)。
大学院を目指すきっかけは、自分のケアに悩む中でCNSを意識したことでした。
研究室訪問時に、「難しく考えずにいらっしゃい」と言われ進学を決めました。
久々の学生生活は新鮮で、改めて看護を学ぶことで目からボロボロと鱗が落ち、自分の看護を振り返ることができました。また、楽しいことやしんどいことを助け合える、年代や領域の違う同志もでき、充実した2年間を過ごすことができました(CNSコース)。
博士後期課程
私は、後期課程でのコースワークそして研究活動と格闘を続けています。子どもの看護・小児看護を実践している看護師に向けた研究がしたいという、今から考えると単純であったかもしれない動機でしたが、現在、徹底的に一つの研究という難題に取り組んでいます。改めて文献の重みや読む意味を実感しつつ、研究を組み立てるため、時には挫けそうになる心を奮い立たせながら研究に向かっています。
活動紹介
小児看護学事例検討会
1-2か月毎に事例検討会を開催しています。大学院前期課程・後期課程の在学生・修了生、小児看護専門看護師、研究者が集い、日頃の看護実践を振り返るとともに、参加者間での交流を図っています。