慢性看護学分野

慢性看護学分野

慢性看護学分野では、主に糖尿病や心疾患、腎臓病などの生活習慣病や、難病の方の看護を中心とした慢性看護領域の知の発展をめざし活動しています。

大学院では慢性疾患看護専門看護師など高度な看護実践力の向上を目指した教育活動を行っています。さらに患者会の運営やサポートを通して、地域における慢性病の予防や管理に向けた支援を行っています。

教員紹介

籏持 知恵子 教授

主な研究テーマ

  • 慢性病者のエンド・オブ・ライフケアおよび意思決定支援に関すること
  • 心疾患他慢性病者の心理社会的特性や病の体験に関する研究
  • 中高年や慢性病者のセルフマネジメント・ライフスタイルの変容に関する研究

主な研究業績

  • 慢性閉塞性肺疾患患者における嚥下障害のリスクと影響要因の検討
    • 日摂食嚥下リハ会誌,21(3),156-164.
      西依見子,籏持知恵子,藪下八重(2017)
  • 末期心不全の緩和ケア/心不全緩和ケアの特徴と看護師の役割
    • 看護技術,63(10),926-929.
      籏持知恵子(2017)
  • 慢性心不全患者の浮腫自覚時の受療行動に影響する要因
    • 日本循環器看護学会誌,11(2),39-48.
      武田真理,籏持知恵子(2016)

南村 二美代 准教授

主な研究テーマ

  • 糖尿病の疾病自己開示に関すること、およびその意思決定に関すること
  • 糖尿病患者のセルフマネジメント教育に関すること
  • 糖尿病患者のストレスとソーシャルサポートに関すること

主な研究業績

  • 2型糖尿病患者の血糖コントロールに及ぼす負担感とソーシャルサポートの影響(2011)
  • 問題解決アプローチによるセルフマネジメント介入が外来糖尿病患者の血糖コントロールに及ぼす効果(2011)
  • 糖尿病の開示を視座にしたセルフマネジメント教育プログラムの効果(2011)

中村 雅美 助教

主な研究テーマ

  • 慢性腎臓病患者の療養支援、重症化予防ケアとその評価方法
  • 慢性腎臓病患者のエンパワメント
  • 透析患者のストレス・コーピング

主な研究業績

  • 血液透析患者の食事療法に関するストレス・コーピングと自己管理行動
    • 日本腎不全看護学会誌,22(2),104-111
      中村雅美,籏持知恵子(2020)
  • 血液透析患者の食事療法の認知状況と自己管理行動
    • 大阪府立大学看護学雑誌,26(1),71-77
      中村雅美,籏持知恵子(2020)
  • 透析療法を受ける患者に対するキュアとケア-治療と生活とを結びつける、キュアとケアを融合した看護実践
    • 臨床透析,34(3),33-37.
      中村雅美(2018)

※詳細は大阪府立大学教員活動情報をご覧下さい

大学院生への教育

 

大学院生博士前期課程では、慢性疾患を病む人々のQOLの向上に寄与するために、身体的、心理的、社会的問題を明らかにするとともに、それらの諸研究を知り、高度なケアへの知識と技術を修得し、看護実践能力と研究能力を養います。

博士後期課程では、慢性疾患を病む人々とその家族の看護に関する国内外の研究論文を検討し、研究的知見を深めます。

療養支援に必要な専門的知識と看護技法を看護学として体系化し、さまざまな健康レベルにある対象の健康上の課題の解決とケアの展開能力を発展させるための背景理論と研究方法を探究します。

授業科目

博士前期課程

・修士論文コース

慢性看護学特論、慢性看護学援助特論Ⅰ、慢性看護学援助特論Ⅱ、慢性看護学演習ⅠA、慢性看護学演習ⅡA、慢性看護学特別研究

・CNSコース

慢性看護学特論、慢性看護学援助特論Ⅰ、慢性看護学援助特論Ⅱ、慢性看護学演習ⅠB、慢性看護学演習ⅡB、慢性看護学実習Ⅰ、慢性看護学実習Ⅱ、慢性看護学実習Ⅲ、慢性看護学課題研究

博士後期課程

慢性療養看護学特論、慢性療養看護学演習、療養支援看護学特別研究

※授業科目の詳細は、大阪府立大学のシラバスをご覧下さい

院生の声

博士前期課程3名(CNSコース2名、修士論文コース1名)、博士後期課程3名が在籍しています。

博士前期課程 修士論文コース2年
 臨床で働いていた当時、多忙な中での自己学習の限界と成長の限界を常に抱えている状態でした。腰を据えて勉強する機会を持ち、より深く、幅広い視点を持って看護を考える力を身につけたいと考え、大学院への進学を決めました。出身は九州ですが、より多岐にわたる分野の学生と共に学べる環境を求めて、関西へ飛び出して、この大学院の門戸を叩きました。
授業は大変ですが、自分が主体となって学習する力が付き、多くの分野の学生や先生方と学びを深められ、臨床では持てなかった多角的な視点を持って考えられるようになってきている気がします。
現在まだまだ至らない点も多く、学べば学ぶほど分からない点が見えてくる状況でもあります。大変ではありますが、私にとってはどう進んでも自己の成長に繋がっているという実感にもなっています。
より深く思考し、自己で答えを探求する力を付けたいと考える方がいらっしゃるのであれば、是非とも進学をお勧めしたいです。
博士前期課程 CNSコース 1年
 患者さんや家族に指導を行うなど日々関わっていく中で、根拠を持った支援を行えているのだろうかと疑問を抱くようになりました。そのため根拠のある知識に基づいて支援を行うことができるようになりたいと思い、大学院進学を決めました。
大学院の授業では、学生間でプレゼンテーションを行い、学習したことを臨床現場で活かすにはどうしていくかなど具体的に考えています。慣れないことも多く苦戦することもありますが、多くの学びを得ることができます。
博士前期課程 CNSコース 1年
 臨床にいたとき、慢性疾患看護専門看護師の先輩は忙しい中でも、いつも患者さんや家族との関わりを密にとって、想いに寄り添った看護を行っていました。また知識も豊富で、常に新しい情報をスタッフ間で共有してくれていました。そんな先輩に憧れて、私ももっと豊富な知識を持って、患者や家族のことを深く考えて看護を実践できるようになりたいと思い、大学院に進学しました。
博 士 後 期 課 程  
 大学卒業後、循環器病棟に務め心不全患者の再入院やセルフケアに課題を感じ、大学院に進学しました。
博士前期課程では、心不全患者の病気の認識と受診行動に関する研究を行いました。博士前期課程を修了後は、研究について学びを深めたいと考え、博士後期課程に進学しました。現在3年目で心不全患者のセルフケアに関する研究活動を行っています。

活動紹介

健康的に日常を生きることを応援する「ホッと&ハートの会」

慢性呼吸器疾患や循環器疾患、腎臓病、糖尿病などの生活習慣病で療養されている方やそのご家族、健康維持に関心がある方々が集う会を企画・運営しています。

炎症性腸疾患IBD友の会「つばさの会」

つばさの会の活動に参加しています。

大阪府立大学慢性看護学研究会

年3~4回研究会を開催し、本学大学院看護学研究科の慢性看護学分野に在籍中の大学院生、修了生および教員が交流の場を持ち、情報交換や協働を通して臨床・実践と研究をつなぎ、慢性疾患看護の質の向上を目指して活動しています。

慢性看護学分野HP:http://www.nursing.osakafu-u.ac.jp/manseikangoken/