博士後期課程の教育

博士後期課程は、療養支援看護学領域と生活支援看護学領域で構成され、療養支援看護学領域は4分野、生活支援看護学領域は6分野から構成されます。

基盤・専門教育

基盤教育

看護学研究方法論

量的・質的研究の批判的吟味(クリティーク)の方法を学び、看護現象をより妥当性の高いアプローチを用いて探究し、研究デザインならびに研究方法を開発できる高度な研究能力を養う。

看護理論開発方法論

看護現象に関する理論開発の演繹的な方法である概念分析や関係性の記述文の分析・統合について理解し、研究の基盤となる理論構築の能力を養う。

博士後期課程定員

課程 博士後期課程
入学定員 5名

博士後期課程の教育目的・目標

教育目的

豊かな学識を有し、看護学分野において学術研究を推進しその深奥を究め、高い倫理観をもって自立して研究活動を行うことができる能力を有する人材を育成する。

教育目標

  1. 看護実践の改革を目指し、専門性の高い看護ケアを開発する。
  2. 理論や看護援助方法の妥当性を科学的に検証する。
  3. 優れた看護実践、関連領域の知識・研究を用いて、高い倫理観をもって研究活動を行い、看護学の発展に寄与する。
  4. 教育、医療、研究、行政関連機関において、社会の変革に対応できる指導的・管理的リーダーシップを発揮する。
  5. 都道府県や国家レベルの政策開発や意思決定に参画する。
  6. 学際的、国際的な視野に立ち、学術交流、研究活動、保健医療活動に貢献する。

博士後期課程 学位授与方針(ディプロマポリシー)

  1. 看護実践を改革し、専門性の高い看護ケアを開発できる能力を修得している。
  2. 理論や専門援助方法の妥当性を科学的に検証できる能力を修得している。
  3. 優れた看護実践、関連領域の知識・研究を用いて、高い倫理観をもって研究活動を行い、看護学の発展に寄与できる能力を修得している。
  4. 教育・医療・研究・行政関連機関において、社会の変革に対応できる指導的・管理的リーダーシップを発揮できる能力を修得している。
  5. 都道府県や国家レベルの政策開発や意思決定に参画できる能力を修得している。
  6. 学際的、国際的視野に立ち、学術交流、研究活動、保健医療活動に貢献できる能力を修得している。

教育課程編成実施方針(カリキュラムポリシー)

専門領域を生活支援看護学・療養支援看護学の2領域とし、生活支援看護学領域には6分野、療養支援看護学領域には4分野を設け、共通教育、基盤教育、専門教育で構成された教育課程を編成する。1年次には「看護学研究方法論」、専攻分野の「特論」、「演習」を、2年次から3年次前期には専攻領域の「特別研究」を配当し、学際的視野を持ち、自立して研究活動が行えることを目標としている。「特論」「演習」では、アクティブ・ラーニングを取り入れ能動的学修とする。博士論文の論文指導は、指導教員の専門性を考慮し、主指導教員と副指導教員の3名以上の指導体制とし、あらかじめ主指導教員と学生とで作成した指導計画に沿って行う。

  1. 看護実践を改革し、専門性の高い看護ケアを開発できる能力を育成するため、1年次前期は基盤教育において「看護学研究方法論」を必修科目、専門教育で専攻分野の「特論」、1年次後期には専門教育で「演習」を各々配当する。2年次前期から3年次前期に専門教育で専攻領域の「特別研究」を配当し、2年次前期での研究計画書の審査を経て、3年次後期に博士論文審査委員会による最終審査を行う。
  2. 理論や専門援助方法の妥当性を科学的に検証できる能力を育成するため、専門教育として、1年次前期は専攻分野の「特論」、1年次後期には「演習」を、2年次前期から3年次前期には専攻領域の「特別研究」を配当する。2年次前期での研究計画書の審査、論文作成に必要なデータ収集・分析への指導助言を経て、3年次後期に博士論文審査委員会による最終審査を行う。
  3. 高い倫理観をもって研究活動を行い看護学の発展に寄与できる能力を育成するため、1年次前期に、共通教育として「研究公正」を必修科目とし、基盤教育において「看護学研究方法論」を必修科目、1年次後期に「看護学研究方法論演習」を選択科目として配当する。2年次前期から3年次前期には専門教育として専攻領域の「特別研究」を配当し、2年次前期での研究計画書の審査を経て、3年次後期に博士論文審査委員会による最終審査を行う。
  4. 社会の変革に対応したリーダーシップを発揮できる能力を育成するため、1年次前期は基盤教育で「看護学研究方法論」を必修科目、専門教育で専攻分野の「特論」、1年次後期には「演習」、2年次前期から3年次前期には専門教育で専攻領域の「特別研究」を配当し、指導的・管理的リーダーシップの資質を養う。
  5. 都道府県や国家レベルの政策開発や意思決定に参画できる能力を育成するため、専門教育では1年次前期に専攻分野の「特論」、1年次後期には「演習」、2年次前期から3年次前期には専攻領域の「特別研究」を配当し、専攻分野における行政課題の理解を深める。
  6. 学際的、国際的視野に立ち、学術交流、研究活動、保健医療活動に貢献できる能力を育成するため、専門教育では1年次前期に専攻分野の「特論」、1年次後期には「演習」、2年次前期から3年次前期には専攻領域の「特別研究」を配当し、国内外の研究に精通する。

これらの学修成果の評価の方針は以下のとおりとする。

1.成績評価の基準

  • 成績評価は、学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)を踏まえ、授業科目ごとに「到達目標」を設定し、履修者の到達目標に対する達成度に応じて、看護学研究科規程第15条に定めた基準に沿って、A+からDの評語で評価する。特に、単位修得(C以上)の基準を到達度として明記する。
  • 学期ごとに全ての授業の成績分布を集計し、到達目標の達成度について組織的に検討し、改善を図る。
  • 成績評価は、達成度の絶対評価を基本として行うが、受講者数が少ない科目を除き、偏った評語の分布にならないように努力する。また、偏った分布になった場合はその原因を分析し、次期以降に改善を図る。

2.成績評価の方法

  • 成績評価は、最終の定期試験のみに偏重することなく、レポート、プレゼンテーション、学修態度等の多様な要素を組みあわせて到達目標の達成度を評価する。なお、授業への出欠状況は成績評価には使わない。
  • 具体的な評価方法は、授業担当教員が決定し、評価の基準、評価に用いる項目の配分を含めて、シラバスを通じて学生に事前に提示する。

3.学位論文の審査

  • 学位論文の審査は学位審査基準にしたがって行う。

研究指導教員の決定と研究指導の方法について

主研究指導教員の役割

  1. 学生の希望する研究課題、指導教員の専門分野、指導環境などを考慮し、学生の同意を得た上で研究課題を決定し、研究指導を行う。
  2. 研究指導に加え、学生の教育・研究に必要となる授業科目について、シラバスと領域分野別履修例を参考にして個々の学生の指導を行う。

副研究指導教員の役割

主研究指導教員と協力して学生の研究指導を補助的に行う。

研究指導教員の決定のプロセス

  • 主研究指導教員については、入学願書出願前に希望する教員への研究室訪問や面談を行い、入学願書出願時に希望する教員を選択し、入学後の研究科委員会において決定する。
  • 副研究指導教員については、入学後、主研究指導教員が学生と相談の上選定し、研究科委員会において決定する。

研究指導計画

*研究の具体的スケジュールに関しては、<研究スケジュール>を参照

以下に、入学から修了までを36ヶ月とした標準研究指導計画を示す。

1. 研究計画の立案

*研究計画の立案については「学生NAVI」を確認してください。

2. 研究の遂行

  1. 学生は、研究計画に従って研究を遂行する。1年次では、主に研究方法の確立、予備研究などを行う。2年次以降は、決定した研究方法にて研究課題に取り組み、データ収集・分析等を行い、研究結果をまとめる。
  2. 指導教員は、研究の進行を確認しつつ、研究の倫理的配慮、研究依頼、データ収集、データ分析等の指導を行い、研究結果をまとめさせる。
  3. 指導教員及び研究科教授会は研究の進捗状況について確認し、研究の進捗状況に応じた指導を行う。

3. 中間報告会における発表

学生は研究経過を発表し、参加教員から指導を受ける。

4. 論文の作成

  1. 学生は研究成果をもとに論文の作成を開始し、指導教員のもとで論文を執筆する。
  2. 指導教員は、論文の構成や図表の作成、文献の整理・引用等、論文のまとめ方を指導する。

研究スケジュール

入学願書出願前主研究指導教員の選択

年次 時期 博士論文
入学願書出願前 主研究指導教員の選択
1年次 4月 主研究指導教員の決定
5月~7月 研究指導計画書の作成
2月~3月 副研究指導教員の決定
2年次 5月17日 研究計画書の提出
6月上~中旬 研究計画書及び研究倫理の審査
病院等調査施設の倫理委員会の審査
研究計画書及び
研究倫理の審査終了後
研究の実施
1月下旬 中間報告
3年次 1月7日 博士論文の提出(各自で修得単位を確認後提出)
1月中~下旬 予備審査
2月上旬 博士論文審査
2月中旬 審査結果、研究指導計画書、研究指導報告書の提出

※4~6年間の長期履修生については、指導教員と相談の上手続きをすること。

※指定日については、土・日曜日の場合、その前日とする。